平成27年6月8日月曜日
いいじま手打ち蕎麦の会 田切 米山 辰二郎
福島“三春滝桜”の蕎麦紀行

左から妻私店主
新弟子米山は、今月始め蕎麦道具買出しのため、会津若松方面を旅しました。
ついでに?!日本酒蔵元巡りも行いましたが、主要目的は蕎麦関連であり、登山靴持参は家内からNGでした。
先週、蕎麦講習会後の反省会で、那須野部長から一言「三春町のそばの駅に寄り友達を作ってくるように」とのミッションを受けました。「どこにあるのですか?」と新弟子、「滝桜で有名なとこだよ!知らねえだ~?」
と原部長、「知りまへーん?!」と新弟子。取りあえず家内が待っている長野へ一目散。
新潟の蔵元は今回無念の通過。会津若松市内SMで買物ついでに酒コーナーもチェック。おや?「三春桜」銘柄のお酒があるではありませんか (!)しかも桜の木が写ったラベル。田村郡三春町…、これは間違いない。
早速ネットで検索後アポをとり、蕎麦道具買付後“そばの駅三春門前”へ向かいました。会津若松から磐越道を東へ80㌔、郡山を過ぎ船引三春ICから5分で到着。滝桜の看板あり帰路立ち寄ってきました。(デカイ桜)
そばの駅三春門前 福島県田村郡三春町熊耳字古殿1-1
☎0247-62-4855 店主:岩井芳夫 |
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(以下面談記録)

福島三春そばご膳
- 店舗運営形態 従業員は店主も含め3名で運営。県外客を中心に土日繁忙日はアルバイト対応。
- 店舗名は店主が考案、福島県内3店舗、挽いたそば粉及びめんつゆを他の店舗に供給、各店舗独立採算性でFC契約に近い、市町村等の補助金や公的支援は特に受けていない。
- コンセプト、製造工程に特徴
- 会津・北海道産の玄そば使用、長年の製粉技術をもって、挽きたて打ち立て基本の十割そば提供
そば粉は毎日早朝5時から挽く。10時から麺製造に入るが、まず水回し及びこね作業(少々)を店主が行った後、圧縮機で麺を抽出する。事前にざるそば注文、面全体が“シラタキ状”の丸い感じ、ぼそぼそ感
に加え、すぐに切れてしまうため家内が一言「三春の滝桜に失礼な蕎麦ネエ!こりゃだめネ…。」と厳しい評価。
店主がこの工程にたどり着いた考え方を教えてくれた。
以前は、店主及び女性職人もいて本格的な蕎麦打ちを行っていた。ところが、女性職人の右肘怪我や店主の高齢化(見た目75歳位で白髪の仙人!)で機械化を考案し、現在の製造工程にたどり着いた。
「十割蕎麦は、こね作業を長く行うとそば粉の繊維が切断され、風味や触感を損なう」だから、あまり余計 な作業は省きたいとの考えによるもの。
- 参考になりそう!?
- 大きなかき揚げ(250円)
- 油内に円筒状の型を置き材料投入。ボリューム感あり揚げ立てで更に満足!
- そばがき(大葉味噌餡が乗ったそばがき、そばつゆに浮かせたそばがきの二種類を試食…かなり旨い!)
- そばがき用の粉を挽いている。餡は季節により工夫(大葉味噌、クルミ味噌、ゆず、きな粉等々)異なる餡を乗せた三色セットでの提供方法(家族・団体向け)餡の色彩を意識した器の工夫(商品の見せ方)
以前、イベント等で女性陣が応援に入り、器やそばがきに合わせる餡に工夫を行い、好評を得た経験が何回かあった。可能ならばやってみたらどうか?また、 老人ホーム慰問の際、蕎麦は噛めないがそばがきは好評だった経験談も披露。 店主の強調したのは「特徴のあるもの、得意なものを一つ作れ!」であった。
店主はそばがきに注力、清水寺貫主にも提供したようで写真を見せて頂いた。
- 備前焼・竹細工等展示コーナー、店内雰囲気
古民家仕様の店内はモーツアルトの音楽が流れ静かな空間を演出。平日PM1時前後で夫婦連れ2組、常連客1名が山の中の蕎麦屋でたそがれていました。
4.最後に 店主は、当日アポにも関わらず1時間半ほど時間を割き、丁寧に説明してくれました。
趣味でやっている内は誰もが美味しい美味しいと言ってくれる。生業として始めた途端、まずければお客は来なくなる。志を曲げないで精進してほしい旨激励を受けお店を後にしました。
お店から6キロ先の三春滝桜は、葉っぱを沢山抱えひっそり佇んでいました。(終)
追:近日中に御礼の手紙を出します